Long-term investment

VYM、HDV、SPYDの比較。米国・高配当ETFはVYMが最も良い理由。

高配当ETFのパフォーマンス

残念ながら、トランプ政権下(特に4年目)は低調なパフォーマンスとなった高配当ETFですが、高値を更新し続けるS&P500指数のETFよりも、割安感は高まっています。

さらに、アメリカの大統領が変わる見込みとなり、投資環境は変化しつつあります。大統領選挙以降、これまで低調だったバリュー株が復活基調です。

原油価格に上昇の兆しが見られることも、高配当ETFのパフォーマンスを悪化させた元凶となったエネルギーセクターにとって追い風です。

この記事では、今後のパフォーマンスに期待できる代表的な高配当ETF3つを比較します。

VYMとは

VYM(バンガード・米国高配当株式ETF)は、バンガード社が運用する、米国高配当株ETFです。

VYMのベンチマークは、FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス。米国株式の高配当銘柄を対象とします(REITを除く)。時価総額加重平均型のベンチマークです。

特色

高配当利回り上位400社程度に、時価総額加重で投資します。条件は高配当であることのみです。時価総額加重型のパッシブ運用であり、3つの中では独自色は最も薄いといえます。

HDVとは

HDV(iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF)は、ブラック・ロック社が運用する米国高配当株ETFです。

HDVのベンチマークは、モーニングスター配当フォーカス指数。財務が健全で、配当支払いの持続が高いと認められる、上位75社(程度)で構成されます。スマート・ベータ型のベンチマークです。

特色

ベンチマークは、独自の条件を設定するスマート・ベータ型です。この指数は年4回のリバランスがあり、銘柄の入れ替えが多く、売買回転率が高いです。VYMの回転率は10%程度ですが、HDVは50%を超える時があります。

エネルギーセクターの比重が高く、値動きは地味です。その分、下落相場では、市場平均より下落率が抑えられる傾向があります(ベータ値:0.7程度)。

SPYDとは

SPYD(SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF)は、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ社が運用する、高配当ETFです。S&P500の構成銘柄の、高配当利回り上位80銘柄を投資対象とします。SPYDのベンチマークは、S&P500高配当指数です。

特色

時価総額に関係なく、80銘柄にほぼ均等に投資するのが特徴。株式だけでなく、REITも含みます。そのため、配当利回りは3つの内最も高くなる傾向があります。後述しますが、利回りの変動が大きいという特徴もあります。

VYM、HDV、SPYDの指標比較

VYM HDV SPYD
信託報酬 0.06% 0.08% 0.07%
配当利回り 3.12%  3.87% 3.20%
保有銘柄数 412銘柄 74銘柄 80銘柄
純資産額 304.0億ドル 57.5億ドル 20.3億ドル

数値は2020年11月29日時点です。信託報酬と純資産額はVYMが良いですね。保有銘柄数もVYMが最も多いですが、同じ国の株式クラスだけを買う場合、50銘柄以上になるとリスク低減効果がほぼ無くなるため、HDVの74銘柄でも十分です。

HDV純資産額が減少傾向です。この半年間でも、1.5億ドル減少しています。一時期の人気はないですね。

SPYDはコロナショック以前は5.5%以上あった配当利回りが急落しました。リートを含む不動産セクターの組み入れ比率が下がったためです。

VYM、HDV、SPYDのセクター別構成比率

円グラフにカーソルを合わせると、構成比率(%)が表示されます。

VYMのセクター別構成比率

VYMは金融のシェアが大きいです。金融危機が起きた場合には、下落幅が大きくなる可能性があります。※ VYMのファクトシートはICB、HDVとSPYDはGICSの分類で構成比率を公表しています。

HDVのセクター別構成比率

HDVはエネルギー、生活費需品、ヘルスケアという、ディフェンシブな3セクターが上位を占めます。

SPYDのセクター別構成比率

SPYDもVYMと同じく、今は金融が1位です。コロナショック前までは、不動産セクターが1位であることがSPYDの特色でした。コロナショックにより不動産セクターが打撃を受けて、構成割合が下がりました。

個人的な評価

VYMが最もおすすめ

特にこだわりがなければ、インデックス運用に近いVYMが良いでしょう。長期的な利回りも高いと考えられます。

配当利回り リターン
13.11%
中間 10.55%
9.79%
S&P500 11.13%

上の表は、シーゲル教授の研究によるものです。1957年〜2006年のS&P500構成企業の、高配当利回りグループ、中配当利回りグループ、低配当利回りグループのリターンの比較です。

50年間買い持ちして、配当再投資をした場合、高配当グループのリターンが最も高くなりました。この高配当グループは、高配当利回りのみが条件のため、VYMと類似性が高いです。VYMも長期的に高いパフォーマンスが期待できそうです。

HDVとSPYDの評価

HDVは下落相場で不安になりにくいと思います。しかし、3つの内最も高い信託報酬と、売買回転率の高さは、デメリットですね。更にエネルギーセクター偏重のため、パフォーマンスが資源価格の推移に左右され、最近は低調です。

SPYDの配当利回りは5%を超える時があり、魅力的です。しかし、配当利回りが高くなるのは、リートを多く含むためです。リートの保有比率を減らすと、途端に配当利回りが下がってしまい、安定性を欠きます。

リートを保有したい場合、ETFならUSRT、インデックス・ファンドならeMAXIS Slim 先進国リート・インデックスなどの選択肢があります。リートの投資対象としては、こちらの方が優れているのでオススメです。

メリット・デメリット

メリット デメリット
VYM ・信託報酬が最も低い。

・純資産額が最も大きい。

・インデックス運用に近い。

・金融セクターの比率が高く、下落相場での下げ幅が大きい可能性がある。
HDV ・エネルギー、生活必需品、ヘルスケアの比率が高く、下落相場に一定の耐性がある。 ・信託報酬が3つの中では最も高い。(微差)

・売買回転率が高い。

SPYD ・REITを含むため、不動産にも分散投資したい場合に良い選択肢になる。 ・REITを含むため配当利回りが5%を超えることがあるが、株価と配当利回りの変動が激しい。

VYMについて

高配当ETFのうち、私が最も良いと思うVYMについてはこちらの記事をご参照ください。

【VYM】バンガード・米国高配当株式ETFの評価・解説

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