目次
バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)とは
VYMは高配当利回りの米国株式で構成されるETFです。個人的には、米国株式ETFの内、最良のETFだと考えています。
ファンド設定日 | 2006年11月9日 |
運用機関 | バンガード |
経費率 | 0.06% |
純資産額 | 310.0億ドル |
ベンチマーク | FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックス |
保有銘柄数 | 413 |
VYMの保有上位10銘柄
(2020年12月12日時点。以下、数値のソースはバンガード社のファクト・シートです。)
銘柄 | ティッカー | 構成比率 |
ジョンソン・エンド・ジョンソン | JNJ | 3.7% |
プロクター・アンド・ギャンブル | PG | 3.5% |
JPモルガン・チェース | JPM | 3.1% |
ベライゾン・コミュニケーションズ | VZ | 2.4% |
ファイザー | PFE | 2.0% |
ウォルマート | WMT | 2.0% |
AT&T | T | 2.0% |
コムキャスト | CMCSA | 2.0% |
メルク | MRK | 2.0% |
インテル | INTC | 1.9% |
VYMのセクター別投資割合
円グラフにカーソルを合わせると、投資割合(%)が表示されます。
金融の割合が大きいですね。エネルギーの割合が突出しているHDVとはだいぶ違う構成になっています。※ 業種の分類はICBです。
VYMのリターン

VYMとVTIのリターン比較チャート(配当込み)
(年率) | VYM | VTI |
1年 | 0.72% | 18.86% |
3年 | 5.03% | 13.15% |
5年 | 9.01% | 13.90% |
10年 | 11.80% | 14.02% |
設定来 | 7.39% | 9.43% |
VYMと米国市場を広くカバーするVTIを比較したところ、VTIの方が優位でした。
VYMのリターンも悪くないですが、上昇相場が長く続いているためにグロース株が有利になったことと、コロナショック時のバリュー株のパフォーマンスが悪すぎたため、VTI(全米株式)の方が高いリターンとなっています。
VYMを推奨する理由
長期的には高いリターンを期待できる
配当利回り | リターン |
高利回り銘柄群 | 13.11% |
中利回り銘柄群 | 10.55% |
低利回り銘柄群 | 9.79% |
S&P500 | 11.13% |
上の表のソースは、シーゲル教授の「株式投資」です。1957年〜2006年のS&P500構成企業を、高配当利回り、中配当利回り、低配当利回りでグループ分けしています。各グループの50年間の平均リターンを比較すると、高配当利回りグループのリターンが最も高くなりました。(配当再投資を前提)
この高配当利回りグループは、S&P500の500銘柄の内、「高配当」であるという条件で選ばれています。VYMも配当利回りだけで銘柄を選定していて、条件がよく似ています。過去のリターンを参考にすると、VYM も同じように、長期的には高いリターンを期待できそうです。
大型バリュー株中心のパッシブ運用
ベンチマークのFTSE ハイディビデンド・イールド・インデックスは、配当利回りと時価総額に基づいて構成銘柄を決めています。低配当利回り株が除かれると同時に、小型株も除外され、VYMの約88%は大型株で構成されます。
米国の配当優遇税率が適用されないリートも除かれます。ほぼ大型株という構成のため、キャッシュフローと配当の安定が期待できます。長期投資向きですね。この一年で約25%上昇した市場平均に比べて、約15%上昇のVYMは、割安感の面でも魅力があります。
他の高配当ETFよりもおすすめ
他の代表的な高配当ETFにHDVとSPYDがあります。いずれも優良ETFですが、難点があります。
HDVはエネルギーセクターを22.08%も組み入れている結果、株価や配当が伸び悩んでいます。エネルギーセクターは2019年の米国株式市場で、最も低調なセクターとなりました。ポートフォリオのバランスが微妙だと言えます。
SPYDはバリュー、高配当利回りといった面では魅力的ですが、リートの割合が大きいという面もあります。最大の投資先は不動産セクターで、構成割合は21.08%。現在、米国リート指数が高値圏にあると見られる点と、リートに配当優遇税率が適用されない点には、注意が必要です。VYMはリートを含みません。
楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド
直接VYMを買い付けるのではなく、楽天・米国高配当株式インデックス・ファンドを通して、買い付ける事もできます。米国市場でVYMを買う場合と、日本のインデックス・ファンドを通して買う場合は、それぞれメリットとデメリットがあります。
楽天・米国高配当株式インデックス・ファンドについては、次の記事をご参照ください。