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ハイテクETFの勧め
ハイテクセクターの個別株投資は、ハイリスク・ハイリターンです。技術革新スピードは早く、先を見通すことは不可能に近い。しかし、ハイテクセクターの高い将来性を疑う人は、少ないと思います。
ハイテクセクターに投資する場合、個別銘柄より広く分散投資できるETFがおすすめです。高値掴みをするリスクも、銘柄選択を間違えて上昇相場に乗れないリスクも、大幅に下がります。後述しますが、リターンも十分です。
この記事では、ハイテクETFの代表格である、バンガード情報技術セクターETF(VGT)と、ナスダック100指数ETF(QQQ)を比較してみます。
VGT(バンガード・米国情報技術セクターETF)とは
バンガード社が運用する、情報技術(ハイテク)セクターのETFです。
運用会社 | バンガード |
セクター | ハイテク |
配当利回り | 0.83% |
信託報酬 | 0.10% |
純資産額 | 約396億ドル |
連動するベンチマークは、MSCI USインベスタブル・マーケット・情報技術25/50インデックスです。
VGTの構成銘柄
順位 | 銘柄 | 構成割合 |
1 | アップル(AAPL) | 21.5% |
2 | マイクロソフト(MSFT) | 16.7% |
3 | エヌビディア(NVDA) | 3.5% |
4 | ビザ(V) | 3.3% |
5 | マスターカード(MA) | 2.9% |
6 | アドビ(ADBE) | 2.5% |
7 | セールス・フォース(CRM) | 2.4% |
7 | ペイパル(PYPL) | 2.4% |
9 | インテル(INTC) | 2.1% |
10 | シスコ・システムズ(CSCO) | 1.79% |
ソースはファクト・シートです(2020年12月6日時点)。構成銘柄10位までで、ETF全体の59%を占めています。
注意したいのは、アマゾンは一般消費財セクターに、アルファベット・フェイスブック・ネットフリックスは米国通信サービス(コミュニケーション)セクターに分類されていることです。
グーグル・フェイスブック・ネットフリックスなどのFANG銘柄に投資をしたい場合は、VGTよりも、バンガード・米国通信サービス・セクターETF(VOX)が良いでしょう。
QQQ(インベスコQQQトラスト・シリーズ1)とは
QQQはナスダック100指数に連動することを目指すETFです。ナスダック上場会社の内、上位100社に投資をするということになります。
運用会社 | インベスコ・パワーシェアーズ |
投資対象 | ナスダック100指数 |
配当利回り | 0.51% |
信託報酬 | 0.20% |
純資産額 | 約1,477億ドル |
QQQの構成銘柄
順位 | 銘柄 | 構成割合 |
1 | アップル(AAPL) | 12.9% |
2 | マイクロソフト(MSFT) | 10.0% |
3 | アマゾン(AMZN) | 9.8% |
4 | テスラ(TSLA) | 4.4% |
5 | フェイスブック(FB) | 4.1% |
6 | アルファベット・クラスA(GOOGL) | 3.9% |
7 | アルファベット・クラスC(GOOG) | 3.8% |
8 | エヌビディア(NVDA) | 2.6% |
9 | ペイパル(PYPL) | 2.0% |
10 | コムキャスト(CMCSA) | 1.9% |
ソースはファクト・シートです(2020年12月6日時点)。上位10銘柄でETF全体の55%を占めます。
ハイテクが中心ですが、ナスダック構成銘柄であることが条件のため、生活必需品セクターのペプシコなどもQQQ構成銘柄です。10位までには入っていませんが、ネットフリックスも構成銘柄です。
QQQにはGAFAやネットフリックスが含まれる。そこがVGTとの大きな違いですね。
VGTとQQQの比較。どちらに投資する方が有利?
直近5年間パフォーマンス(配当込み)
VGT | QQQ | VOO | |
2016 | 13.77% | 7.10% | 12.17% |
2017 | 37.07% | 32.66% | 21.77% |
2018 | 2.45% | △0.13% | △4.50% |
2019 | 48.61% | 38.96% | 31.35% |
2020 | 40.74% | 44.46% | 16.48% |
5年平均 | 28.53% | 24.61% | 15.45% |
2020年は12月6日時点の年初来リターンです。VOO(S&P500)は参考として加えました。VGT・QQQのいずれも、この数年間はS&P500をアウトパフォームしています。
直近5年間の比較では、VGTのリターンが優秀です。しかし、より長い期間で比較すると、QQQが上となります。コロナショックの影響が大きい2020年を見ると、QQQのパフォーマンスが強いですね。どちらに優位性があるかは時期にもよります。
VGTとQQQのどちらが買いなのか
フェイスブック、アマゾン、ネットフリックスなどは、短期間で世界でも上位の時価総額になっています。今後の上昇余地が、どれほどあるでしょうか。まだまだ成長するかもしれませんが、未踏の時価総額になっているため、判断が難しくなっています。
また、民主党議員の中に、FANGを名指しで攻撃する議員がいることも、リスク要因です。テック企業への規制は欧州が先行していますが、いずれアメリカでも同様の規制が実施されるかもしれません。
そう考えると、FANGが入っていないVGTの方が低リスクに思えます。配当利回りと経費率(信託報酬)でも、VGTの方がQQQより優位です。
一般的にはQQQを推す人が多いと思いますが、個人的にはVGTの方が買いというのが結論です。