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2019年4Q決算(本決算)の概要
ロイヤル・ダッチ・シェルが2019年度の本決算を、2020年1月30日に発表しました。残念ながら減益となりました。配当は据え置きです。
純利益の推移
年度 | 純利益 |
2016 | 4,575 |
2017 | 12,977 |
2018 | 23,352 |
2019 | 15,843 |
単位は百万ドルです。前年比で見ると約32%の減益決算になりました。とはいえ、黒字決算ですし、2017年度以前の水準を上回っています。
営業キャッシュフローの推移
昨年の530億8,500万ドルから421億7,900万ドルに減少。2017年度以前の水準は上回っています。
フリーキャッシュフローの推移
昨年の394億2,600万ドルから264億ドルに下がりました。約33%の下落。しかし莫大なフリーCFがあることに変わりません。
株価の推移
株価の下落

ロイヤル・ダッチ・シェルの株価推移 source yahoo finance
ロイヤル・ダッチ・シェルの株価推移を5年チャートで見ると、資源価格が下げた2016年に大きく下げ、その後回復し、最近また下げている、という流れが分かります。直近では、減益決算を受けて、下げ幅が広がりました。
原油価格の推移に連動

原油価格の推移(ソース WTI原油CFD。tradingview)
ロイヤル・ダッチ・シェルの株価と原油価格の推移は、概ね連動しています。自社株買いや原油以外の収益があるため、ロイヤル・ダッチ・シェルの株価の推移はよりマイルドです。
原油価格はイラン問題で上昇しましたが、一時的な上昇で終わりました。原油価格の需要見込みは従来の予想より増加したものの、それ以上に供給量見込みが増加しているため、しばらくは下がりやすい状況かと思います。
ロイヤル・ダッチ・シェルのクリーン・エネルギー事業
石油メジャーの中でクリーン・エネルギー投資に最も積極的
ロイヤル・ダッチ・シェルのクリーンエネルギー関連の投資は、2010年以来、合計220億ドルを超えています。ブルーム・バーグやSeeking alphaなど、様々な投資メディアもロイヤル・ダッチ・シェルのクリーン投資を評価しています。
参考 Shell Leads Big Oil in the Race to Invest in Clean EnergyBloomberg風力・太陽光発電
アメリカでは様々な州で風力発電を展開しています。一例として、マサチューセッツ州では68万世帯に、1.6GWの電力を供給する計画です。太陽光発電に関しては、アメリカで最大規模の太陽光発電プラットフォームを持っています(Silicon Ranch)。
風力発電や太陽光発電への投資に積極的なロイヤル・ダッチ・シェルと対照的に、シェブロンやBPは電気自動車充電のインフラに集中的に投資しています。正直、どちらが有利かは分かりませんが、私はロイヤル・ダッチ・シェルの方を買っています。