Long-term investment

楽天の減損、ソフトバンクの赤字転落に見るユニコーン投資のリスク

楽天がLYFT株下落で減損を発表

楽天がリフト(LYFT)社の減損を発表しました。楽天は2019年12月期第3四半期の連結決算で、1,030億円の減損損失を計上する見込みです。

楽天が同社に出資した金額は意外と控えめなものです。楽天は2015年にリフトに3億ドルを出資し、その後の小規模な追加出資で13%の保有となっています。

楽天がリフトに投資をした経緯

三木谷社長によれば、口座に1億ドルしかなかったジョン・ジマーとローガン・グリーン(リフト共同創業者)に、懇願されて出資したそうです。彼らはUberに潰されかけている窮状を、三木谷社長の自宅まで来て訴えたとのこと。その後のリフトは、若者の支持拡大によりシェアを拡大し、評価額は急上昇します。リフトのシェア拡大の背景には、楽天のマーケティングやアドバイスがあったようです。

しかし、上場後は冴えません。今日の多くのユニコーンIPOがそうであるように、未上場の間は隠されていた財務や業績が明らかになり、評価が急落したのです。

ユニコーン企業の過大評価傾向

近年の傾向として、ユニコーン企業はIPOを極力遅らせます。FacebookがIPOを遅らせ、経営戦略を公開する必要がない未上場の間にシェアを圧倒的なものにし、その後上場した成功モデルが参考にされているようです。

ドットコム・バブル期 現在
IPOまでの平均期間 約4年間 約12年間
IPO企業の売上額の中央値 1,200万ドル 1億7,300万ドル

IPOまでの期間は、ドットコム・バブル期に比べて、約3倍の長さになっています(数値はMR.IPOとして知られるジェイ・リッター教授のHPから)。この傾向は、未公開株の過大評価に繋がったものと思われます。

現在のユニコーンバブルの特徴

より成熟した企業がIPOしている、という点ではドットコム・バブル期より健全です。一方で、最近ではユニコーンバブル特有のリスクも、顕在化しています。

近年、未上場の間に評価額を天文学的な数字に吊り上げ、その後、上場する傾向が見られます。スピード上場が流行したドットコム・バブル期とは対照的です。

未公開株の高いバリュエーションが、上場後に維持できない場合、未公開株に投資をするベンチャー・キャピタルなどが、バブルのツケを支払う羽目になるでしょう。

株価が下落し続けるUber

ソフトバンクグループ(ビジョンファンド)が約80億ドルを投資するウーバー(Uber)の赤字額は、5億8,500万ドルに拡大しました(7-9月(第3四半期)決算。前年同期は4億8,500万ドルの赤字)。

赤字の拡大幅はコンセンサスより小さかったものの、月間アクティブユーザー数がアナリスト予測に届かなかったことなどを嫌気し、決算発表後に株価が9.85%急落しました。11月6日のロックアップ解除後には、さらに下落する可能性があります。

Uberの株価推移 source yahoo finance

ソフトバンクグ・グループの反転には、ビジョンファンドの象徴的な投資先であるウーバーのパフォーマンス向上も必要になると思われます。しかし、今後の展開は、決して楽観視できるものではありません。ウーバーの今後の見通しについては、以下の記事をご参照ください。

自動運転の概要。Uberの苦境とソニー、Googleの強み。

ソフトバンク・グループの第2四半期決算が7,043億円の赤字に転落

ソフトバンクグループが2019年7-9月期の連結決算決算において、7,043億円の赤字(連結営業損益)を発表しました。話題となったWeWorkについては3,747億円の評価損失を計上しています。

孫正義CEO自らが「ボロボロの決算」と苦笑いする内容となりました。

しかし、これで悪材料出尽くしと見るのは早計でしょう。今回の決算でもビジョンファンドの保有株式の内37社は評価増とし、評価益を1.3兆円としているのです。

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