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iシェアーズ 優先株式&インカム証券 ETF(PFF)とは
「iシェアーズ 優先株式&インカム証券 ETF」は、米ドル建て優先株式等を対象とする、ETFです。ベンチマークはICE 上場優先株式 &ハイブリッド証券 インデックス。
運用機関 | ブラックロック |
投資対象 | 優先株式 |
保有銘柄数 | 486 |
経費率 | 0.46% |
分配金利回り | 3.15% |
純資産額 | 175.72億ドル |
ベンチマーク | ICE 上場優先株式 & ハイブリッド証券 インデックス |
優先株式とは?
優先株式とは、配当や解散した会社の残余資産について、他の株式よりも優先的に受け取ることができる株式のことです。この点はメリットですが、一方で議決権等の制限があります。
優先株式は、普通株式と社債の中間的な性質と言えます。普通株式より低リスクで、債権よりは高リスクです。
PFFの過去の値動き

PFFの過去の値動き source yahoo finance
TLTのような長期債権ETFと違い、サブプライム金融危機の時には暴落しています。リーマンショック時の値動きは、債権より株価と似ていますね。2007年以前は45〜50ドル台だったのが、2009年3月には15ドル台をつけました。
その後、株価は回復しましたが、数年間30ドル台で動かず安定しています。2011年以降の株価は短期債権ETFよりも、動かないですね。
PFFの過去のリターン(年率)

PFFの設定来パフォーマンス
ベンチマーク | PFFのリターン | |
1年 | 16.92 | 15.62 |
3年 | 6.89 | 6.05 |
5年 | 5.60 | 4.79 |
10年 | 7.27 | 6.50 |
設定来 | 4.98 | 4.43 |
リターンは配当再投資をした場合の数値です。経費率がそこそこ高いため、ベンチマークとリターンには大きめな差がありますね。
設定来リターンは控えめな数値になっています。
PFFの銘柄構成
保有銘柄数
PFFの保有銘柄数は現時点で487銘柄となっています。米国と英国の銘柄のみです(95.26%が米国株)。
PFFの直近の配当利回りは4.88%ですが、これだけ分散されていて、高い配当利回りを確保できるのは、優先株式の魅力ですね。
業種別投資割合
金融業が多いですね。公益事業などディフェンシブなセクターが入っているのは、安心感を持てます。
組入上位10銘柄
銘柄名 | セクター | 組入割合 |
ブロードコム | 情報技術 | 2.12% |
ウェルズ・ファーゴ | 金融 | 1.79% |
XTSLA | デリバティブ | 1.52% |
ベクトン・ディッキンソン | ヘルスケア | 1.50% |
GMACキャピタル・トラスト I | 金融 | 1.40% |
バンク・オブ・アメリカ | 金融 | 1.40% |
シティグループ | 金融 | 1.29% |
クラウンキャッスル・インターナショナル | 不動産 | 1.19% |
センプラ・エナジー | 公益事業 | 0.98% |
JPモルガン・チェース | 金融 | 0.96% |
意外と有名な会社ばかりです。金融の多さが目立ちます。XTSLAのような運用機関(ブラックロック)のデリバティブ商品も組み入れられています。
PFFの評価
安定したインカムゲイン
株価の上昇はほとんど期待できないものの、安定して高いインカムゲインを得られるため、配当再投資による複利運用とも相性が悪くないです。株価はいずれ上がれば良いですからね。
普通株式のヘッジになり得るか?
サブプライム金融危機の時に暴落していることから、株式のヘッジとしては不向きにも見えます。ただサブプライム金融危機以外のショックでは、ほぼ下落していません。
金融業の組み入れ率が高いため、「金融危機」の性質があるショックだと、売られることもあるということでしょう。金融危機以外の暴落には耐性が強いと言えます。
PFFは買いか?
現在、非常に株高になっていて、割安に買える銘柄は限られています。特に米国株で割安な銘柄を探すのは難しい状況ですね。
購入する銘柄を探せない時に、振り込まれた配当金など、余ったドルをマネー・マーケット・ファンドに入れておくのは一般的かと思います。個人的には、PFFを購入してインカムゲインを得ながら、株式市場が落ち着くのを待つのも、悪くないかなと思います。