Long-term investment

三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドの分析

三井住友・DCつみたてNISA・全海外株とは

三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドは、日本を除く全世界に投資するインデックスファンドです。このファンド一つで全世界の株式に投資することができます。

投資対象は株式のみで、リートや債券は含みません。前身は三井住友DC・全海外株式インデックスファンド。

ファンド詳細

2019年7月14日現在

運用会社 三井住友DSアセットマネジメント
ファンド設定日 2011年4月18日
純資産額 162.82 億円
信託報酬 0.27%(税抜き0.25%)
実質コスト 0.41%(昨年11月30日決算時
手数料 なし(ノーロード)
ベンチマーク MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本)

純資産額

純資産額推移 source 三井住友DSアセットマネジメント

順調に伸びています。

三井住友・DCつみたてNISA・全海外株は、つみたてNISAが始まった当初には、低い信託報酬で全海外に投資できるため、人気がありました。しかし現在は、後述するように、より低い信託報酬で、同様の指数に投資できるファンドがあります。

それでも純資産が伸びている理由は、三井住友銀行を利用している人が選んでいるからでしょう。三井住友でつみたてNISAを始める場合、選べる投資信託が3つしかなく、海外株は当ファンドだけです。楽天、SBI、マネックス等で証券口座を開設すれば、選択肢は大きく広がります。しかし、そこまでの労を取りたくない人も、多いのかもしれません。

信託報酬

MSCI ACWI(除く日本)をベンチマークとする投信には、より低コストはインデックスファンドがあります。

ファンド 信託報酬
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) 0.15336%(税抜き0.142%)
野村つみたて外国株投信 0.2052%(税抜き0.19%)
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株 0.27%(税抜き0.25%)

設定当初こそ全海外株式クラスで、最も信託報酬が低かった三井住友・DC全海外株ですが、現在ではこのとおり。やや割高に見えてしまいますね。純資産額が伸びていることに満足せず、顧客本位の考え方で、信託報酬の引き下げを検討すべき時期だと思われます。

構成

国別構成比

2018年12月末時点。

構成比率
アメリカ 58.9%
イギリス 5.6%
中国 3.9%
フランス 3.7%
カナダ 3.2%
ドイツ 2.9%
スイス 2.9%
オーストラリア 2.3%
韓国 1.8%
台湾 1.5%
香港 1.3%

マザーファンド

ファンド名 構成比率
外国株式インデックス・マザーファンド 86.47%
エマージング株式インデックス・ マザーファンド 12.33%
MEMO
マザーファンドとは、複数のベビーファンドから資金を集めて、実際に運用するファンドです。三井住友・DCつみたてNISA・全海外株はベビーファンドに当たります。

外国株式インデックス・マザーファンドはMSCIコクサイ(先進国株式)をベンチマークとし、信託報酬は0.16%(税抜き)です。エマージング株式インデックス・ マザーファンドはMSCIエマージング(新興国株式)をベンチマークとし、先物で運用されます。後者が信託報酬を押し上げる原因となっています。

マザーファンド
運用
ベビーファンドから集まった資金を、まとめて運用します。
ベビーファンド
資金を集める
投資家から資金を集め、マザーファンドに投資をします。
個人投資家
投資↔︎損益
投資をし、リターンを得ます(または損失を被ります)。

リターン

チャート

基準価額推移 source 三井住友DSアセットマネジメント

紫色のグラフがベンチマーク、オレンジ色のグラフがファンドのリターンです。

ベンチマークと少しずつ乖離していくのは、信託報酬の控除等があり、仕方ありません。ほぼ連動していますが、やや乖離が大きい時期があります。

当ファンドの5年間の年率は7.68%です。(2019年7月12日時点)

新興国株式の先物運用

ベンチマークの連動のために先物を運用する手法は、インデックスファンドでよく用いられます。三井住友DC・全海外株の場合、約8割を占める先進国株式は現物株式ですが、残り2割の新興国株式は先物で運用されています。(上記の新興国株式のマザーファンドが先物運用をしている)

先物は証拠金を差し入れることにより、より大きな金額の取引が可能です。そのため、解約への備えで手元に現金が必要な時や、支払い期日が未到来の配当金があり、現金が不足している時には、先物で代用するメリットがあります。また、高い流動性もメリットの一つです。

しかし、先物による運用はトラッキング・エラーを起こしやすいため、問題があると言えます。

MEMO
トラッキング・エラーは、ファンドのポートフォリオと、目標であるベンチマークのリターンを比べ、どれだけ差が生じているかを表す尺度です。

難しい話になりますが、本来、先物の価格は、現物株式の金額に、清算までの金利負担分を足した金額と等しいとされます。(先物理論価格)しかし、実際の先物価格は、しばしば理論価格から乖離するため、ミス・プライシング(価格乖離)が起きます。これがトラッキング・エラーの主要な要因です。

個人的な評価

ベンチマークである、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本)には魅力があります。しかし、信託報酬がやや割高になっていることと、新興国株式クラスが先物で運用されトラッキング・エラーを起こしやすいことは、問題ですね。信託報酬については、インデックス・ファンドの急速な低コスト化が進んでいます。

早急な引き下げがないと、解約して、eMAXIS Slim等のより低コストなファンドに乗り換える人が、増えていくかもしれません。

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