Long-term investment

注目を集めるケロッグの代用肉ビジネス(ベジミート)

悲観視された加工食品銘柄

加工食品メーカーはかつて、代表的なディフェンシブ銘柄とされていました。あのピーター・リンチも、不景気になったら、朝食代を節約したい人たちがシリアルを買うため、ケロッグの業績はかえって上がる可能性がある、と書いています。

ところが、ミレニアル世代の嗜好の変化により、シリアル食品などの将来が悲観視されるようになると、株価は低迷しました。ミレニアル世代に起因する株価低迷は、ケロッグに限らず加工食品メーカー全般の問題です。特に有名になった事例が、バフェット銘柄「クラフト・ハインツ」の暴落。この半年間は特に厳しい時期だったと言えます。

ゼネラル・ミルズ

ゼネラル・ミルズの年間チャート。source yahoo finance

代表的な加工食品メーカーの値動きを見ると、ゼネラル・ミルズはダウやS&P500をアウトパフォームしています。加工食品銘柄が低調な中で、この銘柄だけは例外です。ゼネラル・ミルズは日本ではハーゲンダッツ等で有名な会社ですが、最近の好調な業績を引っ張っているのはペットフード事業です。

クラフト・ハインツ

クラフト・ハインツの年間チャート。 source yahoo finance

一方で、クラフト・ハインツは業績不振な上に減配をしました(四半期配当の37%引き下げ)。上記チャートのとおり株価は暴落し、今年に入ってからの半年間でマイナス32%と最悪なパフォーマンスです。

ケロッグ

ケロッグ年間チャート。source yahoo finance

ケロッグの株価を見ると、年間を通じて見ると下げています。2019年に入ってからはボックス圏。バロンズ紙の報道以降、約10%上昇しました。

好調なゼネラル・ミルズ、低調なケロッグ、絶不調なクラフト・ハインツという状況です。

加工食品メーカーは配当利回りの良さと、ディフェンシブな性質が魅力のため、キャピタル・ゲイン目的で買う人は少ないでしょう。しかし、ミレニアル世代の嗜好の変化は、今後ずっと続く問題と考えた方が良い。加工食品メーカーの将来は楽観視出来ない状況です。クラフト・ハインツの暴落を見る限り、もはやディフェンシブな業種とも言えない。

ゼネラル・ミルズのような一部の強い銘柄と、低迷するその他に二分するかもしれません。

転機の到来か

そんな中で、7月4日のバロンズ紙の記事が注目を集めました。ケロッグの傘下企業であるMorningStar Farms(以下、モーニングスター・ファームスと書きます)の代用肉に関する記事です。

代用肉といえば、ビヨンド・ミートがIPO以来、公開価格の9倍以上の株価になっています。(公開価格25ドル。7月26日時点の株価は234.9ドル)より大きな注目を集めたウーバーやリフトが低迷しているのとは対照的に、高騰を続けてきました。

バロンズ紙によれば、ケロッグ傘下のモーニングスター・ファームスの代用肉は、ビヨンド・ミートのものより遥かに高品質とのこと。

MorningStar Grillers source MorningStar Farms HP

モーニングスター・ファームス

同社の代用肉は1パウンド当たり6.5ドルで売られています(ウォルマートの価格)。粗利益率は25%のため、卸価格は1パウンド当たり5.2ドル程度。

もし、モーニングスター・ファームスが昨年同様に9,000万パウンド売ったとすると(昨年のビヨンド・ミートの売上は1,520万パウンド)、4億5千万ドルの売上総利益になります。一方で、ビヨンド・ミートの2019年の売上総利益の見込みは2億1千万ドルです。

ケロッグはビヨンド・ミートの2倍以上の売上総利益が見込める会社を、非上場で内部に抱えていることになります。

IPOが得策か

バロンズ紙はケロッグが同社をIPOすべきとします。ケロッグの時価総額は180億〜200億ドルで推移しています。対して、ビヨンド・ミートの時価総額は現時点で130億ドルです。

仮にケロッグが、モーニングスター・ファームスをビヨンド・ミートに近い価値で手放せたら、ケロッグは時価総額の半分以上のキャッシュを手にすることが可能。ビヨンド・ミートの時価総額は明らかにバブルですが、半分以下の50億ドルで売れたとしても、ケロッグにとっては年間の純利益(11.7億ドル)の5倍近いので、インパクトは非常に大きいです。

IPOしなくても

ケロッグを象徴するシリアルの将来は、以前の記事で触れたとおり、ミレニアル世代の嗜好の変化によって、危ぶまれています。時代に合っていないため、衰退する可能性が高い事業です。一方で、モーニングスター・ファームスの代用肉には、高い将来性があります。時代に合っている事業です。

バブル価格で現金化することも魅力がありますが、衰退する本業を補う事業として、内部に抱えて成長させていく方が、長期的なケロッグの継続性を考えたら得策なのではないかと、個人的には思います。

参考として、以前に加工食品メーカーとミレニアル世代に関して書いた記事です。

加工食品メーカー株の今後の見通し(ケロッグ等)

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