Long-term investment

三菱ケミカルの銘柄分析。ミューズ細胞に期待の高配当銘柄。

三菱ケミカルとは?

株式会社三菱ケミカルホールディングスは、総合化学メーカーの最大手企業です。

事業は非常に多岐に渡っていて、医薬品等のヘルスケア分野、炭素・ガスなどの素材分野、フィルム等の機能商品分野など。

連結営業利益の推移

右肩上がりとは言えませんが、着実に利益は出せています。

事業ポートフォリオ改革

現在、三菱ケミカルでは事業ポートフォリオの大幅な見直しを進めています。売上収益1,000億規模の事業は随時撤退していき、111社の関係会社を削減する予定です。

その一方で、期待できる事業にはより力を入れる。少しずつ、分かりやすい企業になっていきそうですね。力を入れる主な分野は以下のとおり。

機能商品

炭素繊維複合材料→軽い、強い、疲労強度が高いなどの特徴があります。自動車や飛行機で使用されます。TOYOTA プリウスや、AUDI RS5が採用。

 

素材

産業ガス→大型買収によってシェア拡大。アメリカ、欧州、中国、インドなどで事業を展開し、2020年度の売上収益1兆円を視野に入れています。

 

ヘルスケア

再生医療→後述のMuse細胞(ミューズ細胞)など。新たな収益源とするべく、2021年度以降の事業化を目指しています。

また、海外の売上強化にも力を入れています。中期経営計画では、現在収益に占める海外売上の比率は43%ですが、2020年までに50%以上に高めることを目標にしています。

コア営業利益、営業利益共に、中期経営計画のローリングにより、目標値がやや上方修正されています。

ミューズ細胞

ヘルスケア事業の中でも、面白いのがミューズ細胞です。ミューズ細胞は再生医療で使用される幹細胞の一種です。他の幹細胞に比べて、腫瘍になりにくく、短時間で再生が可能という、優れた特徴を持っています。ヒトとの相性も良いようです。

現在は、急性心筋梗塞および脳梗塞の臨床試験を行なっています。ミューズ細胞は広く応用がきくため、適応疾患は拡大中です。2020年度の申請、2021年度の承認、それ以降の販売を計画。

ミューズ細胞は大きく飛躍する可能性があります。三菱ケミカルの規模を考えたら、過剰な期待はできませんが、楽しみな事業ですね。

高配当利回り

三菱ケミカルは配当利回りが高い銘柄としても、知られてきています。今日時点の主な指標は以下のとおりです。

指標 数値
PER(株価収益率) 6.84倍
PBR(株価純資産倍率) 0.80倍
一株当たり配当 40円
配当利回り 5.06倍

純資産倍率は長期に渡って低いです。総合商社と似て、事業が多岐に渡っているのが分かりづらいということでしょうか。経営陣によると、コングロマリット・ディスカウントの解消は、当面の課題となっており、コングロマリット・プレミアムの創出を目指しています。

MEMO
コングロマリット・ディスカウントとは?

事業が多岐に渡る複合企業の時価総額(企業価値)が、各事業の合計より小さいこと。投資家からは経営効率の悪化が懸念され、事業が多岐に渡ることによる評価の難しさからも敬遠されやすい。その結果、株価は割安に据え置かれる。

キャッシュフロー

各種キャッシュフロー

単位:百万円 2015年 2016年 2017年 2018年
営業CF 299,612 396,643 397,940 415,575
投資CF -234,078 -289,056 -355,933 -895,068
財務CF -40,945 1,411 -150,592 519,062
フリーCF 65,534 107,587 62,007 -479,493

2018年に投資キャッシュフローが増加し、財務キャッシュフローは大幅にプラスになっています。産業ガス事業への投資のために、大規模な社債発行等を行なった結果です。この点については後述します。

営業キャッシュフロー

営業キャッシュフローは安定しています。

フリーキャッシュフロー

2018年度に投資キャッシュフローが大幅に増加した結果、フリーキャッシュフローはマイナスになっています。

投資が膨らんだ原因は、産業ガス事業への投資です。子会社の太陽日酸(株)が、アメリカのプラクスエアから産業ガスの欧州事業を50億ユーロ(約6,400億円)で買収。中期経営計画にあるとおり、海外事業比率を高める一環と言えるでしょう。

個人的な評価

三菱ケミカルが大規模に投資する産業ガスは、今後拡大が続くと予想されています。ヘルスケアセクターもミューズ細胞など、期待が持てる事業に取り組んでいる。

三菱ケミカルの事業内容には高い将来性があると考えています。

高配当利回りも三菱ケミカルの魅力の一つです。それだけに、今後も大規模な投資が続く場合は、将来の配当原資が心配になります。

三菱ケミカルは収益の3分の1を成長投資、3分の2を株主還元等に回すという方針。この方針を維持するためには、投資と健全な財務のバランスが重要です。

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