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日経新聞の報道
日経新聞によると、三菱UFJ国際投信がMSCI ACWIをベンチマークとするETFを東証に届け出るとのこと。
名称はMAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信。全世界株式ETFですね。上場予定日は2020年1月9日です。
参考 投信運用手数料、下げ拡大 個人の長期投資促す 日経新聞MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信の概要
運用会社 | 三菱UFJ国際投信 |
信託報酬 | MSCI ACWI |
信託報酬 | 0.0858% |
証券コード | 2559 |
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)との比較
運用会社、ベンチマークは同じです。
ETFと投資信託
MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信はETF(上場投資信託)で、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は投資信託です。
ETFは市場から時価で買い付け可能です。投資信託の場合、購入を注文後に決まる基準価額で購入することになります。買付手数料はノーロードの投資信託に分があります。ETFは通常の株式の売買と同様に、買付手数料が発生します。
配当金については、ETFは分配され、投資信託は自動で再投資されます(再投資型の場合)。再投資したい場合、ETFは自分で再投資する必要があります。
信託報酬の違い
信託報酬は以下のとおり、MAXIS 全世界株式 上場投信の方が低いですね。いずれも税込です。
MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信 | 0.0858% |
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 0.1144% |
MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信とVTの比較
どちらも全世界に投資するETFとなります。
経費率の差
MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信 | 0.0858%+α |
VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF) | 0.09% |
経費率はVTに分があります。MAXIS 全世界株式 上場投信の0.0858%は信託報酬であり、VTの0.09%は経費率(の目安)です。ファンドの売買手数料や管理料を加味すれば、MAXIS 全世界株式 上場投信の経費率は、VTの0.09%を超える可能性が高いでしょう。
ベンチマークの違い
MAXIS 全世界株式 上場投信のベンチマークは、MSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス)です。それに対して、VTのベンチマークはFTSE Global All Cap Index。どちらも全世界投資ですが、大型株中心のMSCI ACWI、小型株まで含むFTSE Global All Cap Indexという違いがあります。
MSCI ACWI | FTSE Global All Cap Index | |
国数 | 49 | 47 |
銘柄数 | 約2,700銘柄 | 約8,000銘柄 |
市場カバー率 | 約85% | 約98% |
上場市場の違い
MAXIS 全世界株式 上場投信は東京市場なので、お手軽に購入することができます。一方のVTの場合は、ニューヨーク市場のため、ドルを用意する必要があります(円貨決済も可能だがコストが高くなる)。
MSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス)の構成
MAXIS 全世界株式 上場投信のベンチマークである、MSCI ACWIの構成は次のようになっています。
構成国割合
構成銘柄(上位10銘柄)
銘柄 | ティッカー | 時価総額(十億ドル) | 構成割合 |
アップル | AAPL | 1,207.75 | 2.45% |
マイクロソフト | MSFT | 1,098.06 | 2.23% |
アマゾン | AMZN | 757.16 | 1.54% |
フェイスブック A | FB | 485.09 | 0.99% |
JP.モルガン | JPM | 421.30 | 0.86% |
アルファベット C | GOOG | 407.94 | 0.83% |
アルファベット A | GOOGL | 390.62 | 0.79% |
ジョンソン・エンド・ジョンソン | JNJ | 362.86 | 0.74% |
アリババ | BABA | 338.46 | 0.69% |
ビザ | V | 318.64 | 0.65% |
FTSE Global All Cap Indexの構成
VTのベンチマークであるFTSE Global All Cap Indexの構成は次のようになっています。
構成国割合
構成銘柄(上位10銘柄)
銘柄 | ティッカー | 時価総額(十億ドル) | 構成割合 |
アップル | AAPL | 1,207.75 | 2.18% |
マイクロソフト | MSFT | 1,098.06 | 2.07% |
アマゾン | AMZN | 757.16 | 1.35% |
フェイスブック A | FB | 485.09 | 0.87% |
JP.モルガン | JPM | 421.30 | 0.76% |
アルファベット C | GOOG | 407.94 | 0.72% |
アルファベット A | GOOGL | 390.62 | 0.71% |
ジョンソン・エンド・ジョンソン | JNJ | 362.86 | 0.66% |
ビザ | V | 318.64 | 0.58% |
プロクター&ギャンブル | PG | 312.28 | 0.65% |
ほとんど同じですが、1銘柄あたりの構成割合が全体的にFTSE Global All Cap Indexの方が低めです。FTSE Global All Cap Indexは大型銘柄の構成割合がやや低く、小型株が組み込まれています。
MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信とVTはどちらが良い?
ベンチマーク
どちらも良いベンチマークです。ほとんど差が出ないでしょう。出るとしたら小型株効果ぐらいでしょうか。
小型株のリターンは急激に伸びる時期があります。主に70年代に起きた現象です。次にいつ起きるかは不明ですが、将来の小型株効果に期待するなら、VTのFTSE Global All Cap Indexの方が良いでしょう。
お手軽さ
東京市場で取引可能な、MAXIS 全世界株式 上場投信の方がお手軽ですね。
純資産額
純資産額は非常に重要です。アメリカでは純資産額が巨額なETFが散見されますが、東京市場のETFは人気が低く、非上場の投資信託に資金が集まりがちです。MAXIS 全世界株式 上場投信の純資産額が伸びるかは不透明です。
MAXIS 全世界株式 上場投信は、魅力的なETFですが、純資産額が伸び悩む場合は、VTを選ぶべきでしょう。VTの純資産額は巨額です。投資信託で良ければ、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)も良い選択肢になります(純資産額100億以上)。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の記事はこちらです。