Long-term investment

JT・第3四半期決算、三菱ケミカルHD・第2四半期の決算レビュー

JTの第3四半期決算

JTの決算は概ね予想どおりの内容だったのではないでしょうか。

決算のポイント

  • 国内のたばこ売上収益:対前年比▲1.9%
  • 海外のたばこ売上収益:対前年比+8.9%
  • 全事業調整後営業利益:対前年比▲13.0%

為替一定ベースだと対前年比で+1.6%です。やはり海外収益の比重が重くなるほど、円高になった時の振れ幅は増幅しますね。

良かった点は、フリーキャッシュフローの2019年修正見込みが、3,700億円に上方修正されたことです。(前回予想比+100億円、対前年比+2,644億円)

フリーキャッシュフローは株主還元の原資であり、JTのような高配当株に投資する時には非常に重要です。これだけ潤沢にあれば減配リスクは相当低いでしょう。

RRPデバイス

修正見込みでは、Ploom Sの販売数量が40億本から33億本に引き下げられています。高温加熱カテゴリーの競争激化で、定着率も想定以下だったとのことです。

RRP(Reduced-Risk Products)製品全体の収益も下方修正されました。個人的には、Ploom TECHとPloom Sの伸び悩みは想定内です。

そもそも高温加熱式は、今後のたばこ事業のテーマになる、ハーム・リダクションの観点からは微妙です。高温加熱式のiQOSなどは、日本では売れていますが、海外では主流になっていません。海外の動向を参考にすると、Ploom TECH+のようなリキッドを熱するタイプ(たばこベイパー)が、今後は日本でも売れ筋になってくると予想しています。

現在のRRP市場規模は国内たばこ市場の22%程度ですが、JTは3製品の合計シェアが9%程度。緩やかな上昇傾向ですが、依然として苦戦が続いているので、Ploom TECH+の伸びに期待したいところですね。

三菱ケミカルホールディングスの第2四半期決算

三菱ケミカルHDの決算もJT同様、予想の範疇に留まるものでした。市況の悪化により、製造業の下方修正は7年ぶりの水準に達しています。

決算のポイント

主に照明、看板、大型水槽などに用いられる、アクリル樹脂成形材料の落ち込みが大きかったとして、通期の純利益予想を前期比23%減の1310億円に下方修正しました(従来予想から370億円引き下げ)。

各セグメントのコア営業利益

セグメント 第1〜2期 昨年同期 増減
機能商品 405億 457億 △52億
ケミカルズ 360億 820億 △460億
産業ガス 443億 269億 174億
ヘルスケア 98億 343億 △245億
その他 2億 △17億 19億

機能商品分野では、上述のアクリル樹脂製品の他に、高機能エンジニアリングプラスチックの売上も落ち込んでいます。これは、航空機、産業機械、自動車などで用いられる部品です。例えば自動車のバンパーなど。

ケミカルズ分野のMMA、石化、炭素といった素材も揃って減益。MMA(メタクリル酸メチル)は、優位性を持つ独自の新エチレン製法によって、ケミカルズ分野の稼ぎ頭になることを期待されている分野です。2018年から稼働したサウジアラビアの工場には、約1,000億の投資をしています。とはいえ、素材自体が、市況の変動の影響を受けやすいセグメントです。長い目で見ていく必要があるでしょう。

唯一の光明となったのが、産業ガス事業の増益です。昨年、子会社の太陽日酸(株)が、アメリカのプラクスエアから産業ガスの欧州事業を50億ユーロ(約6,400億円)で買収しています。大規模な投資になっていましたが、事業収益として寄与していることが確認できて、安心しました。

キャッシュフローの推移

第1〜2期 昨年同期 増減
営業キャッシュフロー 2,512億 2,215億 297億
投資キャッシュフロー △896億 △996億 100億
フリーキャッシュフロー 1,616億 1,219億 397億

フリーキャッシュフローが改善しているのは良いですね。

三菱ケミカルHDの銘柄分析については、以下の記事をご参照ください。

三菱ケミカルの銘柄分析。ミューズ細胞に期待の高配当銘柄。

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