最終更新日:10月22日
目次
iDeCoの概要
個人型確定拠出年金(iDeCo)は、個人で積み立てる私的年金です。制度は確定拠出年金法に基づきます。
自分で運用する商品を選択して、60才時点の掛け金+運用益を、60才以降に一時金か年金(あるいはその組合せ)で受け取ります。
iDeCoのメリット
所得控除
iDeCoは掛け金の全額が所得控除の対象になります。
仮に毎月の積立金額が1万円の場合(年間12万円)、所得税+住民税は2万4千円軽減されます。一方で、手数料(口座管理料)は金融機関によって違いがあるものの、年間2千円〜6千円かかります。税の軽減額が手数料を上回るため、iDeCoのメリットは大きいと言えます。
運用益が非課税
運用期間中であれば、非課税で利益確定し、投資商品を変更することができます(スイッチング)。
受取り時の控除
60才以降に一時金として受け取る場合は、運用期間中とは異なり、非課税とはなりません。しかし、退職所得控除の対象となるので、節税効果が見込めます。
また、年金として受け取る場合は、公的年金等控除の対象となります。
iDeCoのデメリット
原則、解約不可能
iDeCoは途中解約できないため、60才まで資金を拘束されます。原則というわけで、例外的に解約できる場合がありますが、定められた5つの要件を満たさねばなりません。
投資商品が限定されている
つみたてNISAはNISAより投資商品が限定されていますが、iDeCoはさらに選択肢が少ないです。各金融機関が選択した30個程度の運用商品から、選ぶ必要があります。
iDeCoを始めるにあたっては、良い運用商品を選択できる金融機関を選ぶことが、非常に重要になります。
おすすめな金融機関
結論から言うと、SBI証券(セレクトプラン)かマネックス証券になります。理由は、信託報酬が業界で最安水準の、eMAXIS Slimシリーズを選択できるからです。
次点で、楽天VTI、楽天VT等、楽天バンガードの運用商品を選択できる楽天証券です。(楽天証券を選択する場合の、おすすめの運用については別の記事で書きます。)
金融機関名 | 加入時 | 積立費用(毎月) | 給付手数料(毎月) |
三菱UFJ銀行 | 2,777円 | 422円 | 432円 |
三井住友銀行 | 2,777円 | 422円 | 432円 |
SBI証券 | 2,777円 | 167円 | 432円 |
楽天証券 | 2,777円 | 167円 | 432円 |
マネックス証券 | 2,777円 | 167円 | 432円 |
毎月の積立費用が低い点でも、SBI証券とマネックス証券は有利になります。
おすすめな運用商品
つみたてNISAであれば、運用益の非課税期間(20年)終了時に含み損を抱えた場合に、運用商品をNISA口座から特定口座(課税口座)に移管し、運用を継続できます。終わりがないため、利益の最大化を図る運用商品の選択がおすすめです。
しかし、iDeCoの場合は、60才の誕生月で積立が終了します。60才以降も、運用指図者として70才までiDeCo口座を持つことが出来ますが、新たな積み立ては出来ません。終わりがあるため、リスクを抑えた運用商品の選択がおすすめです。iDeCoは節税効果だけでも、十分なリターンが期待できます。
eMAXIS Slim バランス
個人的に最もおすすめな運用商品は、eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)です。8資産均等型は常に中リスク中リターンを取り続けます(詳細は以下の関連記事を参照)。
純資産額 | 308.90 億円 |
信託報酬 | 0.14%(税抜き) |
実質コスト | 0.237% |
実質コストが0.237%と、バランス型ファンドとしては驚くほど低く、純資産額も順調に伸びています。純資産額は8月13日時点で308億もあり、繰り上げ償還のリスクは考える必要がありません。
その他のおすすめなファンド
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)が最もおすすめですが、自分で投資内容を把握したいという場合は、以下の割合で積み立てて、毎年一度リバランスする、という方法も良いでしょう。
投資割合 | 信託報酬 | 純資産額 | |
eMAXIS Slim全海外株式 | 50% | 0.104%(税抜き) | 79.20億円 |
eMAXIS Slim国内債券インデックス | 35% | 0.12%(税抜き) | 68.41億円 |
eMAXIS Slim先進国債券インデックス | 15% | 0.14%(税抜き) | 60.77億円 |
国内債券35%、先進国債券15%という投資割合はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)と同じです。
純資産額はやや心もとないですが、一応右肩上がりで増加しています。全海外株式は日本を含むオール・カントリーの数値を書いていますが、日本株の見通しに悲観的な場合には、「除く日本」を選択することも、悪くないと思います。