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ゼネラル・ミルズ(GIS)とは
ゼネラル・ミルズはアメリカの大手食品メーカーです。
加工食品(Food Processing)メーカーの一つに数えられ、この分野で世界10位の売上高です(2018年)。ハーゲンダッツやチェリオスが代表的な商品となります。
本拠地 | 米・ミネソタ州 |
創業 | 1856年 |
セクター | 生活必需品 |
ティッカー | GIS |
ゼネラル・ミルズの業績の推移
売上高の推移
売上高は横ばい圏で推移しています。(業績の数値のソースは全てアニュアル・レポートです。)
2018年に約80億ドルで買収したブルー・バッファロー社のペットフードが、2019年の売上の伸びに貢献しています。2018年までの売上の減少を見ると、会社として何か変化が必要だと考えたのは、理解できますね。
ブルー・バッファロー社は生鮮食品を原料したペットフードで成長してきました。2019年には14億3,000万ドルの売上で貢献しています。
営業利益の推移
2018年の営業利益の内訳を見ると、PET(ペットフード)セグメントは2億6,800万ドルの増要因ですが、それ以外のセグメントは横ばい圏。そのため営業利益の伸びは今ひとつですね。
米国ペット産業の伸び
APPA(American Pet Products Association)によると、アメリカでペットを飼う家庭は今後も伸び続けます。ペット産業も上のグラフのとおり、右肩上がりの推移となっています。
ペットフード大手を買収した狙いはこのへんにあるでしょう。
のれんの減損リスク

ゼネラル・ミルズのバランスシート
ゼネラル・ミルズのバランスシートを見ると、のれん(黄色い箇所。Goodwill)が総資産(Total assets)の46.5%にのぼるのが分かります。その他無形資産(Other intangible assets)を加えると70.3%です。
ゼネラル・ミルズはブルー・バッファロー社の株価が半年で58%も上昇した時点で、17%のプレミアムを乗せた株価で買収しています。今後、公正価値と帳簿価額に差が生じる場合、巨額の減損リスクがあります。公正価値は割引キャッシュフローモデルで算定されます。
ゼネラル・ミルズのキャッシュ・フロー
フリー・キャッシュフローは安定しています。同社はフリー・キャッシュフローの90%を株主に還元するとしています。
ゼネラル・ミルズの財務
単位:百万ドル | 流動資産 | 流動負債 | 流動比率 |
2015年 | 3,937.2 | 5,014.7 | 78.5% |
2016年 | 4,061.4 | 5,330.8 | 76.2% |
2017年 | 4,123.7 | 7,341.9 | 56.2% |
2018年 | 4,186.5 | 7,087.1 | 59.1% |
流動比率は短期的な財務の安定度を見る指標です。ゼネラル・ミルズの流動比率は100%を下回っており、安定的とは言えません。できれば150%以上の企業が推奨されます。
ゼネラル・ミルズのまとめ
安定性
ハーゲンダッツなどの主力商品は世界で愛好されています。日本でも強い人気がありますね。
ハーゲンダッツはレディーボーデンの売上を上回り、高級アイスクリーム市場で覇権的な地位にあります。生活必需品であるため、景気の変動の影響も受けにくく、業種的には長期投資に向いています。
懸念事項
一方で定番商品の売上は頭打ちで、伸び悩んでいます。そのため、ブルー・バッファロー社を買収したわけですが、巨額ののれんと減損リスクが意識されます。また流動比率の低さから、短期的な資金繰りも懸念されます。
ゼネラル・ミルズは買いか?
個人的には買いとは思いません。強い定番商品を持っていて、長期的には良いので、しばらく様子を見たいですね。近い将来に減損が行われ株価が急落したら、その時に買うのも一つのテかなと思います。