Long-term investment

【BRK.B】新高値更新のバークシャー、保有キャッシュが過去最高に

バークシャー・ハサウェイが新高値更新中

BRK.Aの株価推移。source yahoo finance

ウォーレン・バフェットがバークシャー・ハサウェイの経営権を握って以来、バークシャー・ハサウェイの株価は、ほぼ右肩上がりで推移してきました。

12月6日以降、2018年9月21日に記録した331,336ドルの最高値を更新しています。

バークシャー・ハサウェイのキャッシュポジションが過去最高に

現在のキャッシュポジション

バランスシートを確認すると、現在、バークシャー・ハサウェイの現金と米国短期国債の保有額は約1,280億ドル(128,154×百万ドル)です。バークシャー・ハサウェイの現時点の時価総額は約5,540億ドルなので、時価総額の約23.1%のキャッシュを持っていることになります。

目立つのは、「現金および現金同等物」(Cash and cash equivalents)の増加です。保険業種(Insurance and Other)のセグメントで前年比156.1%の増、鉄道・電力(Railroad, Utilities and Energy)のセグメントで前年比42.1%の増です。

バランスシートの現金が多過ぎるという批判

一部では、バークシャー・ハサウェイが投資に資金を回さず、現金を溜め込み過ぎていて、その結果パフォーマンスが低調である、という批判があります。確かに、2018年はS&P500をアンダーパフォームしました。

しかし、過去5年(2014年12月18日〜2019年12月18日)の上昇率を見ると、2018年以外はほぼ差がなく、2018年にアンダーパフォームした分だけ、下回っています。(S&P500は54.22%、バークシャーは48.80%。)

バークシャー・ハサウェイのキャッシュの動きと危機

ITバブルの頃

1998年、バークシャー・ハサウェイの「現金および現金同等物」は、前年の10億200万ドルから135億8,200万ドルに増加しています。今考えると、絶妙なタイミングでのキャッシュポジションの増加です。

1999年、バークシャー・ハサウェイ株のパフォーマンスは、キャッシュの増加と反比例するように低調でした。IT銘柄の多くが高い上昇率を見せた中で、バークシャー株は年間で24.9%下落しています。

ITバブル崩壊

2000年3月10日に、ナスダックが史上最高値を更新。この日、CNBCの著名なコメンテイターであるジム・クレイマーは、「オールド・エコノミーに属するバークシャー・ハサウェイの株価はもっと下がる」として、空売りを推奨。同様のバークシャー批判は、この頃、非常に多かったとされます。

その後、一転してIT銘柄の株価は崩れ始めます。ナスダック指数の暴落と対照的に、バークシャー・ハサウェイの株価は2000年に26.6%、2001年に6.5%上昇しました。

サブプライム・金融危機の頃

同様のキャッシュの動きはリーマン・ショック前後でも確認できます。危機の前はキャッシュ・ポジションが増えていて、暴落時に使っています。(数値のソースは同社の過去のバランスシートです)

次の記事は、リーマン・ショック4ヶ月前のもの。バフェットの当時の見方は次の記事で分かります。

参考 米経済はすでにリセッション入り、期間も深刻度も予想以上=バフェット氏ロイター

個人的な見解

バフェットは現在でも割安な銘柄は買うでしょうが、全体的にバリュエーションが高くなっていて、買うべき銘柄が少なくなっているのでしょう。

現在は、歴史最長の上昇相場となっています。次の弱気相場やリセッションに備える観点でも、理解できる動きです。過去には、危機の1〜2年前からバークシャー批判が見られましたが、今の状況も少し似ていますね。

※ バークシャー・ハサウェイの銘柄分析記事はこちらです。

バークシャー・ハサウェイ(BRK.B)の銘柄分析。不況に強い資産株。

4 COMMENTS

アバター 資本主義の犬

00年代は04年6月から06年6月が利上げ局面でしたが、
BRKは丁度その時期に余力を増やしていったと考えれば至って定石通りの投資方針ですね。
後知恵ですが、今振り返ると07年こそが実体経済と市場経済が乖離した時期であったと分かります。この年を通じて中古住宅販売件数は下がり続け、8月には所謂パリバショックがあったにも関わらずS&P500は1500付近を維持してました。バフェットがこの点を注目していたかどうかは分からないですが、当時の判断は現金残高に現れていますね。

今はどこを見ればいいのか難しいところです。中国の資産逃避圧力が気になって仕方ないというのはあるのですけど。

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itami itami

資本主義の犬さん、こんにちは。

中古住宅販売件数の推移とS&P500の乖離に注目するのは面白いですね。サブプライム問題はリーマンショックの一年前から認識されていたにも関わらず、相場はリスクを織り込んでいなかったということですよね。

私も中国の動向は気になります。外国資本の逃避(サムソン不況)は報じられていますが、相場には織り込まれていない。今は総じて強気ですからね。時期は分からないけど、いずれショックがあってもおかしくない状況に思います。

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アバター 資本主義の犬

 ドル元の交換環境は15年よりも悪化しているにも関わらず、市場がそれを織り込んでいるようには思えないんですよね。
 中国の外貨準備高は3兆ドル台を維持していますが、今や14年以前のような経常黒字は無いし、一四半期あたり2000億ドル前後(?)の資産逃避が続いている。そうした背景からは、ドル建て債務を増やして外貨準備高を維持している実態が見えてきます。
 共産党はどうにかして資産逃避を抑えたいわけですが、香港の逃亡犯条例は撤回に追い込まれた。これは資産を中国国外に移転した富裕層を拘束することはできなくなった、香港を通る資産逃避経路を塞ぐことは出来なくなったという事だと捉えています。
そこに加えて来年はドル建て債務の償還がピークを迎える。

 元をショートしたい人達にとっては、いよいよ条件が整ってきたんじゃないかと思うわけです。過去に類似の例を求めるとすればそれはリーマンショックでもITバブルでもなく、97年のアジア通貨危機。そんな訳で来年はドル元レートに注意すべきだと思うのです。1ドル7.1元程度で安定している限りは問題ないのですが。

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itami itami

資本主義の犬さん、こんにちは。

外貨準備高は減少傾向。昨年は貿易戦争の影響も大きかったですが。一四半期あたり2,000億ドル前後も資産逃避が続いているなら、通貨安の原因になり得ますね。逃亡犯条例も影響していることが面白い。そのあたりまで考慮すると、次のショックはやはり中国発かもしれません。

97年のアジア通貨危機、98のロシア財政危機・LTCM破綻でも、当時のダウ長期上昇相場は水を差された程度でしたが、99年にはITバブルに突入し00年からは下げました。ドル元レートには私も注視してみます。ありがとうございます。

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