Long-term investment

おすすめな投資の名著5選。シーゲル流投資から成長株投資まで。

ウォール街のランダム・ウォーカー(バートン・マルキール著)

インデックス投資のバイブルです。インデックス投資のメリットが分かるだけでなく、金融経済学の導入本としても良書。前提知識がなくても、問題なく読めるはずです。

第1章では、株式投資の二大学派(ファンダメンタルとテクニカル)の歴史を解説します。第2章ではバブルの歴史を振り返ります。

テクニカル派は全否定されます。ファンダメンタル派に対しても、効率的市場仮説の立場から批判を展開し、パッシブ運用の優位性を説明。「ドル・コスト平均法」や「リバランス」といった基本的な手法も、丁寧に書かれていて分かりやすいです。

ランダム・ウォーク理論」や「効率的市場仮説」も、繰り返し説明されます。インデックスファンドを買い、じっと構えて、投資人生の18ホールを全てパーで回る。この本を読み、そういう姿勢を身に付ける価値は大きいと思います。

第12章のアメリカの保険制度の話は、2016年の新訳以降に追加されたもの。この章に限っては、読み飛ばしても問題ないと感じました。日米で制度が異なりますからね。

株式投資(ジェレミー・シーゲル著)

株式投資全体のテキストとして、屈指の名著とされています。「ウォール街のランダム・ウォーカー」に比べると、作者の主観が廃され、客観的かつ学問的に厳密に書かれています。難易度が高いわけではなく、導入本としてこの本を選んでも全く問題がないと思います。

カバーする範囲は広く、アメリカ株の歴史から、オプションや先物取引といった投機的な内容まで解説されています。本書の最も特徴的な内容は、長期的には株式投資のリスクは債券投資のリスクよりも低くなる、というシーゲル教授独自の分析です。

これは「現代ポートフォリオ理論」などの常識を覆す内容を含み、出版当時は驚きをもって迎えられました。

株式投資の未来(ジェレミー・シーゲル著)

次もシーゲルの本です。「株式投資」を緑本、「株式投資の未来」を赤本と呼んだりします。「株式投資」はアメリカの個人投資家たちに、大きな衝撃を与えました。すると、シーゲルには次のような質問が浴びせられます。

「では具体的に、どのように投資をしたらいいんだ?」

「株式投資の未来」はこの問いに対するアンサーです。「株式投資」の中でもその芽を見ることが出来ますが、シーゲルが特に推奨したのは、高配当戦略(高配当株の配当再投資)です。この投資法が、歴史的に市場平均をアウトパフォームしてきたことが説明されます。

「元本から生じた利息を再投資して、元本を増やす」

これが複利運用の定義です。株式の場合、利息は配当にあたります。高配当戦略は複利効果の最大化を狙った投資法といえます。

株式投資の本の中でも、特に面白い。個人的には最もおすすめな本です。「株式投資」に比べても、学術的な記載が少なく、投資関連の本を初めて読む人でも、難無く読めるはずです。

ピーター・リンチの株で勝つ(ピーター・リンチ著)

テンバガー(10倍株)という言葉を世に広めた、立役者です。小型・成長株投資のバイブル的な本。

これまでに紹介した本に比べて、話し言葉に近い文体で書かれていて、読みやすいかと思います。リンチの人柄の良さが文章にも表れています。

リンチはファンド・マネージャーだった現役時代、ミューチュアル・ファンド史上、最も高いリターンを叩き出しています。(リンチのマゼラン・ファンド現役時代は1977年から1990年。この期間の平均年率は29.2%)

現役時代のリンチの年率は、バフェットすら超越しています。リンチはどうやって、10倍になるような成長株を発掘し続けたのか。その考え方がまとめられています。

  • 自分が理解しているものに投資する
  • 自分の生活圏から投資先を探す
  • 超人気産業の超人気株は何よりも避けるべき

このような思想を背景に、書かれています。財務諸表の読むべきポイントについても、理解しやすいように注意を払われて書かれた名著です。

賢明なる投資家(ベンジャミン・グレアム著)

これまでに紹介した本に比べると、古い本ですし、読みにくいかもしれません。しかし、苦労して読む価値の高い、時代を超えた名著です。

グレアムが機関投資家向けに書いた「証券分析」は、1934年の出版。ファンダメンタル分析の原典の一つ。次いで、グレアムが1949年に個人投資家向けに書いたのが、「賢明なる投資家」(The Intelligent Investor)です。

紹介している版は1973年の最終改訂版。

バフェットは度々、本書に言及しています。初めて読んだのは1949年。ネブラスカで同書を読んだ、19才のバフェットの感想は、「これまでに読んだ投資関連の本の中で最高の一冊に違いない」というもの。2011年、81才になったバフェットの評価は変わることなく、次のように話しています。

この本を手に取った日は人生で最も幸運な日だった。『賢明なる投資家』は私の投資哲学を変えただけではない。人生そのものを変えたんだ

この本の内容で私が最も印象に残ったのは、「PERは数年の営業利益から算出する」という考え方です。直近の好業績に基づくPERで判断すると、PERで割安と判断した株価が、実はとんでもない高値だった、という事態に陥りがち。これこそ、最も避けるべき投資行動と説明されています。

市場の熱狂から身を引き、元本の安全性を重視しながら、長期で考える。そのような「賢明なる投資家」になるための知恵が詰め込まれた本です。

「新・賢明なる投資家」は、金融経済コラムニストのジェイソン・ツバイク氏の解説が加えられています。「賢明なる投資家」の時代背景が、その都度説明されます。上下巻にはなってしまいますが、「新・賢明なる投資家」も悪くない選択肢です。

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