Long-term investment

バークシャー・ハサウェイ(BRK.B)の銘柄分析。不況に強い資産株。

バークシャー・ハサウェイとは

バークシャー・ハサウェイは、ウォーレン・バフェットが会長(兼CEO)、チャーリー・マンガーが副会長を務めるコングロマリット型の持株会社です。A株のBRK.Aは議決権が優遇されています。日本からはB株しか買えません。

本拠地 米・ネブラスカ州
創業 1888年※
セクター 金融
ティッカー BRK.B

※バフェットがバークシャーの株を買い始めたのは1962年。同社を支配したのは60年代半ば。

バークシャー・ハサウェイの業績の推移

売上高の推移

売上高(収益)は右肩上がりです。主に約50社の100%子会社による、事業収益です。バークシャーの業績は、売上高と営業利益で判断すべきです。純利益は次の理由から、あまり気にしない方が良いでしょう。

純利益の推移

純利益が昨年から約40倍になっています。米国会計基準(US GAAP)の変更によって、株式投資の含み損益を純損益段階で認識することになった影響が大きいです。市況の変動によって、純利益は激しく上下します。

バフェットは激しく上下する純利益よりも、安定的に推移する事業収益(営業利益)を見るべきと言います。

事業内容

バークシャー・ハサウェイの事業は、主に株式投資と、買収による事業経営です。

近年は株式投資よりも、事業経営に重きを置いています。2017年2月の「株主への手紙」では、「株式投資で利益を得る会社」から「事業収入を生む会社を保有することで、価値を向上させる会社」への移行を進めると書いています。

2018年の4Q決算では、鉄道事業とエネルギー事業の営業利益は全体の30.4%を占めています。

主な子会社

海外現地法人を含むと、200社を超える子会社があります。100%子会社の数は、私が確認できた限りで55社。(海外の現地法人を含めず)更に90%以上100%未満の株式を保有している子会社が、10数社あります。

これまでの主な買収企業は以下のとおりです。(数値等のソースは同社のアニュアル・レポートです)

社名 事業内容 買収額 買収日
プレシジョン・キャストパーツ 合成金属メーカー(金属加工) 370億ドル 2016年1月29日
BNSF鉄道 鉄道 340億ドル 2010年2月12日
ジェネラル再保険 多国籍の損害保険・生命保険 220億ドル 1995年12月21日
ルーブリゾール 潤滑油添加剤(主に自動車向け) 97億ドル 2011年9月16日
PacifiCorp 電力会社 94億ドル 2005年1月1日
NV Energy 電力会社 56億ドル 2013年12月19日
Marmon Group 電化製品等の持株会社 45億ドル 2008年1月1日
GEICO 自動車保険会社 23億ドル 1996年8月26日

プレシジョン・キャストパーツ

プレシジョン・キャストパーツ社の事業である飛行機等に使われる金属加工は、参入障壁が高い分野です。株価が年間で40%下落したタイミングの買収ですが、バフェットの買収にしては、割高感があります(買収時点のPERは19倍)。

BNSF鉄道

BNSF鉄道は、アメリカで最大の鉄道網を持つ鉄道事業者です。輸送手段の中核となる、鉄道を抑えたことになります。買収後、従来のディーゼルより割安な動力源である、天然ガス対応の車両を導入しています。BNSF鉄道の2018年の純利益は、前年比31.8%増でした。

PacifiCorp

PacifiCorpは91%の株式取得。この会社はワシントン州、オレゴン州等の地域で180万人の顧客に電力を供給。特定の地域で規制に守られ、優位に事業を展開しています。

GEICO(ガイコ)

ガイコは、ジェネラル再保険と並び、バークシャー・ハサウェイの中核と言っても良い企業です。「フロート」と呼ばれる、保険金の支払い準備資金以外の余裕資金を、投資に運用してきました。保険会社のフロートの利用は、バークシャーを象徴する手法です。フロートは次のように拡大してきました。

フロート(百万ドル)
1970 39
1980 237
1990 1,632
2000 27,871
2010 65,832
2019 129,423

その他

巨額な買収は電力や鉄道といったディフェンシブな業種が目立ちます。小額の買収事例はデイリー・クイーン(ファースト・フードチェーン)、デュラセル(日用品の大手)など多様です。バフェットは投資の方針について、「バークシャーが永久保有できる事業に投資する」と話しています。

バークシャー・ハサウェイの株式ポートフォリオ

続いて株式ポートフォリオです。子会社化されていない銘柄です。現在のポートフォリオは以下のとおり。ソースはアニュアル・レポートです。

バークシャー・ハサウェイのポートフォリオ(2019年12月31日時点)

銘柄 保有割合※1 投資額※2 市場価値
アメリカン・エクスプレス 18.7 1,287 18,874
アップル 5.7 35,287 73,667
バンク・オブ・アメリカ 10.7 12,560 33,380
バンク・オブ・ニューヨーク・メロン 9.0 3,696 4,101
チャーター・コミュニケーションズ 2.6 944 2,632
コカコーラ 9.3 1,299 22,140
デルタ航空 11.0 3,125 4,147
ゴールドマン・サックス 3.5 890 2,859
JPモルガン・チェース 1.9 6,556 8,372
ムーディーズ 13.1 248 5,857
サウスウエスト航空 9.0 1,940 2,520
ユナイテッド航空 8.7 1,195 1,933
U.S.バンコープ 9.7 5,709 8,864
ビザ 0.6 349 1,924
ウェルズ・ファーゴ 8.4 7,040 18,598
その他 28,215 38,159
110,340 248,027

※1 保有割合はその会社の発行済株式数に対して、バークシャーが保有している割合です。

※2 単位は1万ドルです。

今後はアマゾンが伸びてくるかもしれません。ハイテク投資に消極的なバフェットですが、事業の内容が分かりやすく、ファンダメンタルズが強固なアップルとアマゾンは、高く評価しています。

ハイテクと対照的な値動き

ITバブル時のチャート。バークシャー・S&P500・ナスダックの値動き比較。source yahoo finance

上のチャートはITバブルに突入する1999年後半から2004年初期までのチャートです。赤:ナスダック緑:S&P500青:バークシャー・ハサウェイです。ハイテク銘柄が多いナスダック指数とバークシャーは対照的な値動きです。

ITバブルの頃、テクニカル派、ハイテク株投資家などに、バークシャーは酷評されていました。

バークシャーのリターンは上昇相場では控えめです。特にバブルの時には、リターンの追求より、キャッシュ・ポジションを高めて暴落に備えます。上のチャートを見ても、バブル崩壊後にバークシャーのリターンが上昇していますね。

キャッシュフロー

単位:百万ドル 営業CF 投資CF フリーCF
2015年 31,491 △28,001 3,490
2016年 32,647 △84,225 △51,578
2017年 45,728 △41,009 4,719
2018年 37,400 △32,849 4,551
2019年 38,687 △5,621 33,066

営業キャッシュフローは堅実に推移しています。大型買収(プレジション・キャストパーツ)があった2016年のみ、フリー・キャッシュフローがマイナスです。

バフェットの「株主への手紙」

バークシャー・ハサウェイのアニュアル・レポート(2019年)の特徴の一つに、ウォーレン・バフェットCEOからの「株主への手紙」があります。最新の「株主への手紙」の概要については、以下の記事をご参照ください。

【BRK.B】2019年のバフェットの「株主への手紙」の概要

個人的な評価

バークシャー・ハサウェイは、安定した事業収益とリセッション時の強さから、資産形成に最適な銘柄と言えます。バフェットが経営者となった1965年以来、バークシャーはS&P500を163.3倍アウトパフォームしています。

現在は株高ですが、米国株式の上昇相場が崩れることまで見越すと、バークシャーは悪くない選択肢に思えます。

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